配電設計と電気工事
分岐回路の設計
電灯やコンセントの分岐回路
分岐回路は、そこに接続する電気機器によって
- 過電流遮断器の容量によって定まる回路
- 電動機などの回路
- 50[A]を超える電気機器の回路
特に電灯やコンセント(一般電気機器)などの50[A]以下の分岐回路は、分岐ごとに施設する過電流遮断器の定格電流の大きさによって、電線の太さやコンセントの容量が定められています。
過電流遮断器の種類と容量によって定まる分岐回路の概要
分岐回路の種類 | 過電流遮断器の 定格電流 | コンセントの 定格電流 | 電線の太さ(軟銅線) |
---|---|---|---|
15[A]のヒューズまたは 配線用遮断器分岐回路 | 15[A]以下 | 15[A]以下 | 直径1.6[mm]以上 |
20[A]の配線用遮断器 分岐回路 | 15[A]超、20[A]以下の 配線用遮断器に限る | 20[A]以下 | 直径1.6[mm]以上 |
20[A]のヒューズ分岐回路 | 15[A]超、20[A]以下のヒューズに限る | 20[A] | 直径2.0[mm]以上 |
40[A]のヒューズまたは配線用遮断器分岐回路 | 20[A]超、30[A]以下 | 20~30[A] | 直径2.6[mm]以上、 (断面積5.5[mm2以上) |
40[A]のヒューズまたは 配線用遮断器分岐回路 | 30[A]超、40[A]以下 | 30~40[A] | 断面積8[mm2] |
50[A]のヒューズまたは 配線用遮断器の分岐回路 | 40[A]超、50[A]以下 | 40~50[A] | 断面積14[mm2以上 |
このような形でよく出題されます。
分岐回路の「開閉器および過電流遮断器」の施設位置
分岐回路には原則、幹線の分岐点から3m以下の場所に分岐開閉器を施設しなければなりません。
しかし分岐した電線の太さによって決まる許容電流と、幹線の過電流遮断器の定格電流との割合で、3m超える場所でも取り付けられる場合があります。(分岐開閉器は省略できません。)
太さ | 許容電流 |
---|---|
1.6mm | 27A以下 |
2.0mm | 35A以下 |
2.6mm | 48A以下 |
- 原則3m以下に施設する。
- 分岐点からの電線の許容電流が、IBの35%以上あれば8m以下に施設する。
- 分岐点からの電線の許容電流が、IBの55%以上あれば距離に制限なく取り付けられる。
練習問題1
図のように定格電流50Aの配線用遮断器で保護された低圧屋内幹線から太さ2.0[mm]のVVFケーブル(許容電流24A)で分岐する場合、ab間の長さの最大値[m]は?ただし、低圧屋内配線に接続される負荷は、電灯負荷とする。
練習問題1の解説
この場合ab間の長さの最大値[m]を求めるので、許容電流24Aが定格電流の50Aの何%であるかを求めてやればいいことになります。
つまり、24 ÷ 50 x 100 = 48%になります。
であるからab間の長さの最大値[m]は8mになります。
練習問題2
図のような定格電流150[A]の配線用遮断器で保護された低圧屋内幹線から太さ5.5[mm2]のVVRケーブル(許容電流34[A])で低圧屋内電路を分岐する場合、ab間の長さの最大値[m]は?
ただし、低圧屋内幹線に接続される負荷は、電灯負荷とする。
練習問題2の解説
考え方は練習問題1と全く同じです。
34 ÷ 150 x 100 = 22%になります。22%は35%以下になり、ab間の長さの最大値[m]は3mになります。
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