配電設計と電気工事
絶縁電線と許容電流
電線の太さで決まる許容電流
電線に過大な電流を流すと、電流の発熱作用で電線が焼損したり火災事故などの危険が伴います。
そのため、電線には通電可能な電流値が決められていて、それを許容電流と言います。
許容電流の基準となる絶縁電線の太さは、単線の場合はその直径(単位は[mm])で、より線の場合には素線の総断面積(単位は[mm2]で表します。
なお、電線管工事には原則としてより線を使う必要がありますが、管に通線する電線の直径が3.2[mm]以下の場合や、電線管が短小な場合に限り、単線が使える。
単線の方が価格が安い理由から、一般的には単線が使われるが、単線は可とう性が悪いので、太い電線を使うときはより線が使われる。
単線 | より線 | ||
---|---|---|---|
太さ | 許容電流値 | 太さ | 許容電流値 |
1.6[mm] | 27[A] | 2[mm2] | 27[A] |
2.0[mm] | 35[A] | 3.5[mm2] | 37[A] |
2.6[mm] | 48[A] | 5.5[mm2] | 49[A] |
3.2[mm] | 62[A] | 8[mm2] | 61[A] |
14[mm2] | 88[A] |
電線管やケーブル外装に収めたときは許容電流を減らす
どういうことかというと、こんな感じになります。
絶縁電線や電線管やケーブル外装などに収めると、電線から発生する熱を放散できず電線の温度が上がります。
従って絶縁電線の許容電流はそのぶん少なめに規定します。
同一管内の電線数 | 電流減少数 |
---|---|
3本以下 | 0.70 |
4本 | 0.63 |
5本または6本 | 0.56 |
練習問題1
合成樹脂管工事で、同一管内に直径1.6[mm]の600Vビニル絶縁電線(銅導体)4本を挿入して施設した場合、電線1本当たりの許容電流[A]は?
練習問題1の解答
この問題は1.6[mm]を4本ということなので、
- 直径1.6[mm]は27[A]
- 4本は電流減少係数は0.63
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