令和6年過去問題ー計算問題以外の解説1
問題1
- 図のような電熱器H 1台と電動機M 2台が接続された単相2線式の低圧屋内幹線がある。この幹線の太さを決定する根拠となる電流IW[A]と幹線に施設しなければならない過電流遮断器の定格電流を決定する根拠となる電流IB[A]の組合せとして,適切なものは。
- イ.IW 50
IB 125 - ロ.IW
50 IB 130 - ハ.IW
60 IB 130 - ニ.IW
60 IB 150
ただし,需要率は100%とする。

【解説】
この問題は以下のことを覚えておかなければいけません。
幹線に求められる許容電流
幹線の許容電流(電流の太さ)は、負荷の定格電流の場合よって決まります。
特に負荷に電動機は始動するときに大きな電流が流れるため、余裕をもって許容電流を決めなければいけません。
電動機の定格電流が小さい場合
電動機の定格電流の総量IMが、その他の負荷の定格電流の総量IHより小さいか等しい場合は以下のように幹線の許容電流は決まります。

幹線の許容電流はIWは

になります。
電動機の定格電流が大きい場合
電動機の定格電流の総量IMが、その他の負荷の定格電流の総量IBより大きい場合は、以下のように幹線の許容電流は決まります。

幹線の許容電流はIWは

になります。
まず問題文より電熱器(H)が1台、電動機(M)が2台ある。となっています。
まず電動機(M)は、定格電流20Aが2台あります。
従って
IM=20 + 20 = 40
になります。
今回は需要率が100%なのでそのままの数値が適用されます。
次に
電熱器(IH)は定格電流が10Aです。
従って
IH=10
になります。
ここからが少し難しくなります。
IMとIHの比較してやります。 IM=40
IH=10
だったので
比較すると
IM > IH
になります。 IM=40
なので
IM≦50A
に該当することになり
幹線の許容電流の公式は、「IW≧1.25IM+IH」になります。
IM=40
IH=10
なので
IW≧1.25IM+IH
IW≧1.25 x 40+10
IW≧50+10
IW≧60
従って
IW=60
が最小値になります。
また、この問題は電動機があるので
電動機がある場合は
2.5IWと3IM+IH
の数を比較します。
IM=40
IH=10
IW=60
より
2.5IW=2.5 x 60=150
3IM+IH=3 x 40 + 10=130
従って
2.5IW≧3IM+IH
は150≧130
になり
IB=130
となります。
従って
IW =60
IB =130 になります。
【答え・ハ】
問題2
- 図のように定格電流125 Aの過電流遮断器で保護された低圧屋内幹線から分岐して,10 mの位置に過電流遮断器を施設するとき,a-b間の電線の許容電流の最小値[A]は。
- イ.44
- ロ.57
- ハ.69
- ニ.89

【解説】
分岐回路には、“原則として”幹線の分岐点から3m以内に「開閉器及び過電流遮断器」を設けなくてはなりません。
とありますが例外があります。
まず以下の表は覚えておいてください。
| 分岐点からの電線の許容電流が、幹線の許容電流の55%以上 | 制限なしに施設できる。 |
| 分岐点からの電線の許容電流が、幹線の許容電流の35%以上 | 分岐点から3m超8m以下に施設できる。 |
| 上記にあてはまらない場合 | 分岐点から3m以下に施設できる。 |
重要なポイントとして
- 分岐回路の過電流遮断器の施設位置が8mを越えるときは、0.55×過電流遮断器の定格電流とします。
- 分岐回路の過電流遮断器の施設位置が3mを越え8m以下のときは、0.35×過電流遮断器の定格電流とします。
問題では分岐回路10mとあるので
0.55×過電流遮断器の定格電流 が適用され 定格電流125Aなので 125 x 0.55=68.75A になります。
【答え・ハ】
問題3
- 低圧屋内配線の分岐回路の設計で,配線用遮断器,分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合せとして,適切なものは。




ただし,分岐点から配線用遮断器までは3 m,配線用遮断器からコンセントまでは8 m とし, 電線の数値は分岐回路の電線(軟銅線)の太さを示す。また,コンセントは兼用コンセントではないものとする。
【解説】
この問題は以下の表を覚えておかないといけません。
| 分岐回路の種類 | 過電流遮断器の 定格容量 | コンセントの 定格電流 | 電線太さの最小値 |
|---|---|---|---|
| 15[A]分岐回路 | 15[A] | 15[A]以下 | 直径1.6mm以上(または2mm2以上) |
| B20[A]分岐回路 配線用遮断器 | 20[A]以下 | 20[A]以下 | 直径1.6mm以上(または2mm2以上) |
| 20[A]分岐回路 | 20[A]のヒューズに限る | 20[A] | 直径2mm以上(または3.5mm2以上) |
| 30[A]分岐回路 | 30[A]以下 | 20[A]~30[A] | 直径2.6mm以上(または5.5mm2以上) |
| 40[A]分岐回路 | 40[A]以下 | 30[A]~40[A] | 断面積8mm2以上 |
| 50[A]分岐回路 | 50[A]以下 | 40[A]~50[A] | 断面積8mm2以上 |
まずイですがB20Aの分岐回路です。
電線の最小太さは、1.6㎜以上でコンセントの定格電流は、20A以下となっています。
従ってイは電線の太さが2.0mmでコンセントの定格電流は、20Aとなっているので正しいです。
ロですが30Aの分岐回路です。
電線の最小太さは、2.6㎜以上でコンセントの定格電流は、20A~30Aとなっています。
ロですが電線の太さが2.0mmとなっているので、不適切です。
ハですがB20Aの分岐回路です。
電線の最小太さは、1.6㎜以上でコンセントの定格電流は、20A以下となっています。
コンセントの定格電流は、30Aとなっているので不適切です。
二ですが30Aの分岐回路です。
電線の最小太さは、2.6㎜以上でコンセントの定格電流は、20A~30Aとなっています。
コンセントの定格電流は、15Aとなっているので不適切です。
【答え・イ】
問題4
- 低圧屋内配線の分岐回路の設計で,配線用遮断器,分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合せとして,適切なものは。




ただし,分岐点から配線用遮断器までは3 m,配線用遮断器からコンセントまでは8 m とし, 電線の数値は分岐回路の電線(軟銅線)の太さを示す。
また,コンセントは兼用コンセントではないものとする。
【解説】
この問題も上の問題3と考え方は同じ問題です。
イですが30Aの分岐回路です。
電線の最小太さは、2.6㎜以上でコンセントの定格電流は、20A~30Aとなっています。
コンセントの定格電流は、15Aとなっているので不適切です。
ロですがB20Aの分岐回路です。
電線の最小太さは、1.6㎜以上でコンセントの定格電流は、20A以下となっています。
20Aコンセントなので適切です。電線の太さも2.0mmなので適切です。
従ってロが適切です。
ハですがが30Aの分岐回路です。
電線の最小太さは、2.6㎜以上でコンセントの定格電流は、20A~30Aとなっています。
電線の太さが2.0mmなので不適切です。
二ですがB20Aの分岐回路です。
電線の最小太さは、1.6㎜以上でコンセントの定格電流は、20A以下となっています。
コンセントは、30Aとなっているので不適切です。
【答え・ロ】
問題5
- アウトレットボックス(金属製)の使用方法として,不適切なものは。
- イ.金属管工事で電線の引き入れを容易にするのに用いる。
- ロ.金属管工事で電線相互を接続する部分に用いる。
- ハ.配線用遮断器を集合して設置するのに用いる。
- ニ.照明器具などを取り付ける部分で電線を引き出す場合に用いる。
【解説】
知識問題です。
誤っているのはハです。
ハの説明は分電盤や配電盤のことと思います。
あとのイ、ロ。二は正しい記述です。
【答え・ハ】
問題6
- 多数の金属管が集合する場所等で,通線を容易にするために用いられるものは。
- イ.分電盤
- ロ.プルボックス
- ハ.フィクスチュアスタッド
- ニ.スイッチボックス
【解説】
イは誤りです。
分電盤は分岐開閉器を収めるもので、配線用遮断器や漏電遮断器を収納するための盤です。
ロが正しいです。その通りです。
ハは誤りです。
フィクスチュアスタッドとはアウトレットボックス底面部に取り付けて、フィクスチュアヒッキーを固定する物です。
二は誤りです。
スイッチボックスはそのままスイッチを収める箱のことです。
【答え・ロ】
問題7
- 低圧屋内配線として使用する600Vビニル絶縁電線(IV)の絶縁物の最高許容温度[℃]は。
- イ.45
- ロ.60
- ハ.75
- ニ.90
【解説】
知識問題です。
600V2種ビニル絶縁電線(HIVや600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形(EM-EEF。エコマテリアル。)は75℃です。
90℃は600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)です。
45℃はありませんので論外です。
【答え・ロ】
問題8
- 600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)の絶縁物の最高許容温度[℃]は。
- イ.60
- ロ.75
- ハ.90
- ニ.120
【解説】
問題7の解説しているように
600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)の絶縁物の最高許容温度は90℃です。
【答え・ハ】
問題9
- 硬質ポリ塩化ビニル電線管の切断及び曲げ作業に使用する工具の組合せとして,適切なものは。
- イ.合成樹脂管用カッタ
圧着工具
パイプベンダ - ロ.電工ナイフ
面取器
パイプベンダ - ハ.電工ナイフ
圧着工具
トーチランプ - ニ.合成樹脂管用カッタ
面取器
トーチランプ
【解説】
正しいのは二です。
硬質ポリ塩化ビニル電線管とは塩ビ管のことで
合成樹脂管用カッタで管を切断して切断箇所のばりを面取器で行いトーチランプで管を柔らかくしてから曲げます。
- 圧着工具は電線の接続に使います。
- パイプベンダは金属管の曲げ作業に使用します。
- 電工ナイフは電線の絶縁被膜を取り除くときなどに使用します。
【答え・ニ】
問題10
- ノックアウトパンチャの用途で,適切なものは。
- イ.金属製キャビネットに穴を開けるのに用いる。
- ロ.太い電線を圧着接続する場合に用いる。
- ハ.コンクリート壁に穴を開けるのに用いる。
- ニ.太い電線管を曲げるのに用いる。
【解説】
ノックアウトパンチャとは、鋼板に穴を開ける油圧式工具です。
従って一番近いのはイです。
ロは手動油圧式圧着工具です。
ハはジャンピングです。
二はパイプベンダです。
【答え・イ】
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