平成30年度
図は、自家用電気工作物(500kW未満)の高圧受電設備を表した図及び高圧架空引込線の見取図である。次の問いに対して、答えを一つ選びなさい。[注]図において、問いに直接関係のない部分等は、省略又は簡略化してある。
問題30
- ①に示す地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(GR付PAS)に関する記述として、不適切なものは。
- イ.GR付PASの地絡継電装置は、需要家内のケーブルが長い場合、対地静電容量が大きく、他の需要家の地絡事故で不必要動作する可能性がある。このような施設には、地絡方向継電器を設置することが望ましい。
- ロ.GR付PASは、地絡保護装置であり、保安上の責任分界点に設ける区分開閉器ではない。
- ハ.GR付PASの地絡継電装置は、波及事故を防止するため、一般送配電事業者との保護協調が大切である。
- ニ.GR付PASは、短絡等の過電流を遮断する能力を有しないため、過電流ロック機能が必要である。
【解説】
GR付PASは、地絡保護装置です。
また、保安上の責任分界点に設ける区分開閉器として使用する装置です。
【答え・ロ】
問題31
- ②に示す高圧架空引込ケーブルによる、引込線の施工に関する記述として、不適切なものは。
- イ.ちょう架用線に使用する金属体には、D種接地工事を施した。
- ロ.高圧架空電線のちょう架用線は、積雪などの特殊条件を考慮した想定荷重に耐える必要がある。
- ハ.高圧ケーブルは、ちょう架用線の引き留め箇所で、熱収縮と機械的振動ひずみに備えてケーブルにゆとりを設けた。
- ニ.高圧ケーブルをハンガーにより、ちょう架用線に1mの間隔で支持する方法とした。
【解説】
ちょう架用線の間隔は、50cm以内です。
【答え・ニ】
問題32
- ③に示すVTに関する記述として、誤っているものは。
- イ.VTには、定格負担(単位[V・A])があり、定格負担以下で使用する必要がある。
- ロ.VTの定格二次電圧は、110Vである。
- ハ.VTの電源側には、十分な定格連断電流を持つ限流ヒューズを取り付ける。
- ニ.遮断器の操作電源の他、所内の照明電源としても使用することができる。
【解説】
VTは、定格負担が50,100,200V・Aと小さいため、照明電源などの負荷設備には使用しません。
【答え・ニ】
問題33
- ④に示す低圧配電盤に設ける過電流遮断器として、不適切なものは。
- イ.単相3線式(210/105V)電路に設ける配線用遮断器には3極2素子のものを使用した。
- ロ.電動機用幹線の許容電流が100Aを超え、過電流遮断器の標準の定格に該当しないので、定格電流はその値の直近上位のものを使用した。
- ハ.電動機用幹線の過電流遮断器は、電線の許容電流の3.5倍のものを取り付けた。
- ニ.電灯用幹線の過電流遮断器は、電線の許容電流以下の定格電流のものを取り付けた。
【解説】
電動機用幹線の過電流遮断器は、電線の許容電流の3倍以内が条件になる。3.5倍は不適切です。
【答え・ハ】
問題34
- ⑤の高圧屋内受電設備の施設又は表示について、電気設備の技術基準の解釈で示されていないものは。
- イ.出入口に火気厳禁の表示をする。
- ロ.出入口に立ち入りを禁止する旨を表示する。
- ハ.出入口に施錠装置等を施設して施錠する。
- ニ.堅ろうな壁を施設する。
【解説】
火気厳禁の表示については、規定されていません。
【答え・イ】
問題35
- 電気設備の技術基準の解釈では、C種接地工事について「接地抵抗値は、10Ω(低圧電路において、地絡を生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、[ ]Ω)以下であること。」と規定されている。
- イ.50
- ロ.150
- ハ.300
- ニ.500
上記の空欄にあてはまる数値として、正しいものは。
【解説】
C種の接地抵抗は基本的に10Ω以内と定められています。
しかし0.5秒以内に地絡遮断を自動で行う場合、接地抵抗は500Ω以下まで緩和することができます。
【答え・ニ】
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